
キャプション:滝川浄氏、JSUG Global Implementation 部会 部会長 、コニカミノルタ情報システム株式会社ビジネスシステム開発本部 本部リーダー
「グローバル展開虎の巻」-グローバル導入のチェックリスト-
ビジネスがグローバルに展開していく中で、企業はいくつもの課題に直面しています。SAP ジャパン・ユーザー・グループ(JSUG)は、SAP 製品をグローバルに導入する際の注意事項に関する包括的なアドバイスを盛り込んだレポート、『虎の巻』を作成しました。
SAP.info:JSUG Global Implementation 部会の活動状況はいかがですか。
滝川浄氏:当部会では、さまざまな業界の企業が集まり、SAP ERP のグローバル導入における経験や問題について話し合っています。昨年まで、当部会の会合は四半期に 1 度のみで、主に会員の経験事例を共有するにとどまっており、会員は、本当に必要な詳細情報を得ていないと感じていました。このため、私は会合の形式を変え、参加者のさまざまな経験に基づいてより詳細なレベルでの成果物を作成できるようにしました。
現在は、四半期に 1 度の会合は変わりませんが、小規模の分科会を月に 1 度ほど招集しています。議題は 1 年ほどかけて議論します。そのため、課題を徹底的に議論し、包括的な結果を得ることができます。これにより、参加者たちは、特定の問題について本当に役立つアドバイスを持ち帰ることができるようになりました。
SAP.info:部会の結果はどのように共有されるのですか。また、現在議論されているテーマは何ですか。
滝川氏:私たちは最近、SAP ERP のグローバル展開を目指す企業が遭遇する問題について「グローバル展開虎の巻」を発行しました。これは、18 の法人会員の実際の経験に基づいています。日本語で言うところの秘伝書、いわゆる『虎の巻』ですね。これは、いわば、日本を越えてグローバルにビジネスを展開させたいと考えている企業に包括的なアドバイスを提供する参考書であり、第一部は導入前から運用までのチェックリスト、また第二部は、グローバル展開を果たした後で問題に直面している企業に関するものになります。虎の巻では、グローバル展開する企業が将来予想される一般的な課題を取り上げています。
私たちが現在取り組んでいるテーマは、グローバルIT人材育成です。グローバルな人材とはどのような人物か、またそのような人物をどのように探し出して育成していくべきかについて考えているところです。この分科会が終了次第、もう 1 冊の『虎の巻』をまとめる予定です。いずれ、この文書が英語に翻訳され、他の国からインプットがもたらされればと思っています。
SAP.info:グローバルに展開しようとしている企業にとって最大の課題は何だとお考えですか。
滝川氏:それは会社ごとに異なります。しかし、グローバルなロールアウトであらゆる種類の問題の原因となり得る 1 つの課題は、SAP グローバル導入に関する情報の不足です。当部会の活動成果が少しでもこの課題を克服する上でお役に立てればと思っております。もう 1 つ、日本の企業によく見られる障害は、導入後の運用に関する計画が不十分なことです。SAP をグローバルに導入する際、導入後の運用における課題を導入開始前に検討しないケースがよく見受けられます。これでは、後から問題が発生しかねません。
また、連結も大きな懸念事項です。海外に子会社を持つ日本企業の多くは、これらの制度を個別に運用しています。国際財務報告基準(IFRS)など国際的な法規制に従う必要があることから、海外子会社の連結は必須の課題となっています。単一の国際協定に基づく制度を確立し、各国で同じ規制に従うようにすることが重要です。
迅速性とコストも重要な課題です。多数の子会社をもつ企業がコアシステムをグローバル展開する際、基本ロールアウトに含まれるのが 1 年に 1 社だけというのでは、明らかに時間がかかりすぎでしょう。企業は、より迅速に、より少ないコストでの導入アプローチを必要としています。
